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「3つのトレンド」が変革を牽引 これからのECを読み解く



 

「3つのトレンド」が変革を牽引 これからのECを読み解く

変化が激しく、次々と新しいサービスが生み出されるEC業界。ストア数が急増する中で、自社の成長を実現するために、ECサイト運営者がチェックしておくべきトレンドを解説する。

図1 「キュレーション」には、さまざまなタイプが存在

出典:2015 エンパワーショップ株式会社

これからEC(電子商取引)の世界で何が起きるのか。それを考えるうえで、カギとなるのが競争環境の変化だ。現在、ECのストア数は急激に増加しており、膨大な数の商品がインターネットで販売されている。ECサイトを開設しても、ユーザーに見つけてもらうのでさえ簡単でなく、年々、サイト運営の難易度は増しているのだ。

そうした中で、どのようなECサイトが勝ち残っていくのか。

数多くのECサイト運営を支援し、実績をあげてきたエンパワーショップ社長・西澤優一郎氏は、今後を考えるためのキーワードとして、「ECサイトのメディア化」、「キュレーション型EC」、「運営の自動化」の3つを挙げる。

「メディア化」が成否を分ける

「メディア化」について、西澤社長は、ECサイトの強みの源泉となる要因が変化していることを指摘する。

「以前は、商品を仕入れる力が強みになりましたが、その時代は終わりました。今は『商品を安く仕入れられるのでECをやりたい』などの理由で始めても、うまくいきません。これから強みとなるのは、自社でコンテンツをつくり出せる力です。『その商品が好き』、『その商品に詳しい』といったところから、ECを始める必要があります。面白い読み物などのコンテンツを提供しないと、良質な顧客を集められません。おそらく2~3年以内に、自社メディアを持っていないECサイトは死滅するでしょう」

西澤 優一郎 エンパワーショップ 代表取締役

ECサイト自体のメディア化の成功事例としてよく取り上げられるのが、『北欧、暮らしの道具店』だ。同サイトでは、ページ内に「お買いもの」と「読みもの」のコンテンツが混在している。「読みもの」のページでは、商品に関連する情報だけでなく、スタッフの日々の出来事、思いなども綴られる。そうした顔の見える情報発信、サイト全体の雰囲気にユーザーは親しみを感じ、結果として商品の購入にもつながるのだ。

「今後、必要となる人材は、モノを仕入れて販売するマーチャンダイザーではなく、ライターやクリエイターです。すでに人員をシフトさせているECサイトも出てきています」

「キュレーション型EC」が本格化

2つ目の「キュレーション型EC」とは、目利きの専門家がおすすめの商品を選んだり、自動化されたシステムがユーザーに合わせて商品を絞り込んだりする形式のECだ(図1)。

もはや豊富な商品ラインナップは、差別化の要因にはならない。キュレーション型ECは2~3年前から展開されてきたが、ここにきて数多くのECが導入しており、存在感を増している。

西澤社長は、注目しているサービスとしてアメリカの「StyleSeek」を挙げる。

「StyleSeekは、いくつかのイメージ画像の中から好きな画像を選ぶと、自分の好みがデータ化され、嗜好に合ったファッションアイテムが自分のトップページに並べられる仕組みになっています。さらに、商品の詳細ページでは、価格帯の異なる似たようなアイテムが紹介されていたり、その商品の関連記事が載っていたりします。こうした自動レコメンドにとどまらず、キュレーション型ECの流れは今後も続き、多種多様なサービスが生まれると思います」

「運営の自動化」が不可欠に

現状では、ECサイト運営者はショップを開設した後に、アクセス解析や広告の展開、在庫や顧客データの管理など、さまざまな業務を行わなければならない。そして、それぞれに異なるツールを使いこなす必要がある。

しかし、ECサイト運営者の多くは、それほどITリテラシーが高くはないのが実態だ。そこで出てくるのが、3つ目のキーワードである「運営の自動化」だ(図2)。

図2 「マーケティングオートメーション」によるECサイト運営の進化

出典:2015 エンパワーショップ株式会社

「競争に勝つためには、分散したデータを上手に統合することで運営の無駄を省き、マーケティングや運営を自動化することが不可欠になっています。運営の自動化、マーケティングオートメーションの波が間違いなく来ます。従来はBtoBの分野で使われていたような業務システムが、BtoCでも活用されるようになるでしょう」

また、上記の3つに限らず、ECの世界では、フリマアプリなどCtoCの隆盛、オムニチャネルの進展など、興味深い動きが次々と起こっている。

しかし、現在、日本におけるECの消費は、都市部が5割~6割を占めており、新たなサービスが地方にまで浸透しているとは言えない。また、高齢者対応なども未開拓の領域だ。

「今後、テクノロジーの発展によって、高齢者の利用のハードルを下げるようなサービスが生み出されるかもしれません。アメリカで始まっている『Amazon Dash』というサービスは、買い物専用デバイスを用意し、音声認識やバーコードを読み取るだけで食品を注文することができます。そうしたサービスが、日本のネットスーパーでも導入される可能性はあると思います」

熾烈な競争を伴いながらも、ECのマーケットの拡大は続いている。今後、どのような新サービスが生まれ、人々に驚きをもたらすのか。ECの進化から目が離せない。





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