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ネットの宿泊仲介サービスで議論 自宅に旅行客を泊めてはダメなのか?



20150206-00000002-wordleaf-06ead760aa26b890aeba9fcea56006096インターネット上のサイトを通じて、自宅の空き部屋に旅行客を泊める動きが広がっている。自宅の部屋を、宿泊施設としてサイトに登録して旅行者の予約を受け、宿泊料を受けとる、という仕組みだ。欧米では、バックパッカーたちを中心に火がつき、日本では、外国人旅行者を中心に利用が広がっている。しかし、法的には複雑な問題をかかえているとも言われている。自宅に旅行客を泊めてはダメなのか? この問題に詳しい飛田博(とびた・ひろし)弁護士に寄稿してもらった。

 ネットの宿泊仲介サービスは、自宅などに空き部屋をかかえる人と、旅行者等などの宿泊場所を探している人をマッチングするサービスです。学生などが旅行する際に、ホテルとは違って、実際に現地の住んでいる人と触れ合うことができるし、安い宿泊料で泊まれるので、欧米では急速に普及してきており、我が国でも徐々に利用され始めています。

 ただ、このサービス、我が国で利用しようとすると、大きく分けて3つの関係で問題が発生する可能性があります。

(1)賃貸で借りている部屋に宿泊させる場合など賃貸人(大家さん)との関係
(2)居住用マンションに宿泊させる場合など管理組合および近隣との関係
(3)旅館業法との関係

(1) 賃貸人(大家さん)との関係

 そもそも賃貸(借家)の場合には、賃貸借契約で転貸が禁止されているのが通常ですが、ワンルームマンション等の賃貸の場合には、同居者が制限されていたり、営業行為をすることが禁止されていたりする場合もあります。そのような場合に、賃貸人に黙ってこのサービスを利用すると、賃貸人からクレームがつき、甚だしい場合には、賃貸借契約を解除されるなどのトラブルに発展することがあり得ます。

(2) 管理組合および近隣との関係

 次に、自分の所有する物件に外国人旅行者等を宿泊させる場合にも、居住用マンションなどの場合には、マンションの管理規約等で、マンションの部屋を居住目的以外(たとえば営業目的)で使用することが禁止されていることがよくあります。特に、居住の雰囲気を大切にしている比較的高級のマンションなどでは、急に外国人の旅行者がたくさん出入りするようになったということで、他の入居者から管理組合に苦情が良き、管理組合から規約違反のクレームが出て、トラブルに発展することがあるようです。

(3) 旅館業法との関係

 我が国には昭和23年に旅館業法が作られ、「寝具を使用させて、宿泊料を受ける」営業については、原則として都道府県知事の許可が必要となります(旅館業法第3条第1項)。自宅も旅館に当たるの?と疑問に思うかもしれませんが、この法律では、対象となる施設について「ホテル」、「旅館」、「簡易宿所」に分け、「ホテル」にも「旅館」にも該当しないものは「簡易宿所」と解釈されているようなので、自宅に旅行者を泊めて宿泊料をいただいても形式的には旅館業に抵触する可能性があります。無許可で旅館業を営んだ場合には、6か月以下の懲役または3万円以下の罰金に処せられることになり(旅館業法第9条)、実際、昨年5月には、足立区で、ネットの宿泊サービスを利用して観光客を泊まらせていたイギリス人が摘発されています。したがって、旅館業法違反となるリスクを避けるためには、都道府県知事の許可を取得するのが安全ということになりますが、都道府県知事の許可を得るには、トイレを男女別にしたり、一定の広さの客室を設けたりしなければならず、かなりハードルが高いということができます。

 大家さんや管理組合、他の入居者との関係については、民間の契約の問題または近隣関係の問題ですので、やむを得ないとしても、旅館業法上の規制までする必要があるか?という点は議論のあるところです。

 我が国は、国民に自由な経済活動を保障していますので(憲法22条、29条)、それに対する規制は必要性が認められる合理的な範囲にとどめなければなりません。旅館業法上の規制を正当化できるとすれば、不特定多数の者が宿泊するホテルや旅館の場合、宿泊者の安全や衛生管理のために行政的な規制を及ぼすことが必要だからでしょう。そうだとすれば、自宅などに少人数の旅行者を泊める場合には、安全性や衛生面はそれほど問題とならないので、現状の旅館業法のようなハードルの高い規制を及ぼす必要はないとも考えられます。旅行者側もホテルや旅館並みの安全性や衛生管理を期待していないでしょう。

 この観点から旅館業法を読むと、自宅等については、「ホテル」でも「旅館」でもなければ「簡易宿所」に該当する、とは定めていないことに気が付きます。

 旅館業法第2条第4項は、「簡易宿所営業」について「宿泊する場所を多人数で共用する構造及び設備を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊する営業で、下宿営業以外のものをいう。」と定義しており、対象となる施設としては、『多人数で共用する』ことを前提としている施設という積極的な意味内容を盛り込んでいるのです。

 したがって、自宅は、宿泊場所を多人数で共用することを前提にしていないから、2~3名程度の少人数を宿泊させる程度であれば、「簡易宿所」に該当せず、旅館業法上の規制は及ばないと解することも、無理とは言えないという議論もあり得ます。

 いずれにしても、ネット上の宿泊仲介サービスは、IT技術が可能にした優れたシステムで、いわば草の根の国際交流を可能にするものです。4年後に東京オリンピックを控え、観光立国を目指している我が国で、このシステムが利用できない(=違法)ということでよいのか、議論が必要です。また、この問題に関する行政上の公的な見解(ガイドライン等)を作ることも検討してよいでしょう。

飛田博(とびた・ひろし) 弁護士。大手法律事務所から独立して現在はウイズダム法律事務所所属。主に企業法務、事業再生、不動産取引を専門分野としているが、ITをめぐる法律分野にも詳しい。著書(いずれも共著)に『中小企業経営に役立つ判例30選』 『倒産法の実務ガイドブック』などがある。





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