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2016年02月09日 17時41分 更新

「koebu」(こえ部)がサービス終了へ 開始から9年で

音声投稿コミュニティー「koebu」(こえ部)が9月30日に終了する。

音声投稿コミュニティー「koebu」(こえ部)が9月30日に終了する。運営元のサイバーエージェントが2月9日、サイト上で発表した。

photo 「こえであそぶ」をコンセプトに、2007年にカヤックが運営を開始。歌やせりふ、ドラマ、ラジオなどの音声コンテンツの投稿とリスニングができるサービスだった。

14年9月にサイバーエージェントが事業を取得し、新会社「koebu」を設立して運営。この時点で83万人が登録しており、当初は恋愛ゲーム「ガールフレンド(仮)」との相乗効果などを期待するとしていた。運営会社は昨年9月、サイバーエージェントが吸収合併していた。

終了は「検討を重ねた結果」としており、詳細は説明していない。投稿した音声ファイルはマイページからダウンロードできる。


2014年09月30日 12時24分 更新

音声コミュニティー「こえ部」、サイバーエージェントに譲渡 「ガールフレンド(仮)」との相乗効果期待

カヤックが運営する音声投稿コミュニティーサイト「koebu」(こえ部)の事業をサイバーエージェントが取得。「ガールフレンド(仮)」などとの相乗効果を期待する。

画像 サイバーエージェントは9月30日、カヤックが運営する音声投稿コミュニティーサイト「koebu」(こえ部)の事業を譲り受け、同サービスを運営する事業会社「koebu」を設立した。人気声優を起用した恋愛ゲーム「ガールフレンド(仮)」などとの相乗効果を期待する。

koebuは「こえであそぶ」をキーワードに2007年にカヤックが提供開始し、9月末時点での会員数は83万人。歌やせりふ、ドラマ、ラジオなどの音声コンテンツの投稿や聴取ができ、声優オーディションの開催やリアルイベントなども展開している。

サイバーエージェントは、人気声優を起用した学園恋愛ゲーム「ガールフレンド(仮)」「ボーイフレンド(仮)」などスマートフォンゲームとkoebuとの相乗効果を期待しているという。


「それはできない」とは言わない 急成長する音声コミュニティー「こえ部」 (1/2)

3万ユーザーが利用する音声投稿サービス「こえ部」は、「お問い合わせドリブン」で開発・運営されています。ユーザーと運営者の距離が近く、お互いの“愛”が伝わっているようです。

2009年03月17日 16時42分 更新

画像「『1を10にする』ネットサービスの育て方」インタビュー第1弾は、「こえ部」を運営しているカヤックさん(神奈川県鎌倉市)です。

こえ部は、2007年12月にスタートした音声コミュニティーサイトです。その名の通り、「こえ(声)」を投稿するサイトで、ユーザーから熱い支持を受けています。

サイトは、「お題」と「こえの投稿」に別れており、出されたお題に対してユーザーが声を投稿する形式になっています。声の録音や再生はFlashベースで、Webブラウザだけで音声コミュニケーションが可能です。

大きなプロモーションもせずに口コミでユーザーが伸び続け、2009年2月現在、会員が約2万9000人、月間のページビューが700万を超える、かなり大規模なサイトに成長しています。

1年に88ものサイトをリリース しかも高クオリティ

同社の事業は、(1)自分たちでサービスを作り、運営すること、(2)受託で他社のサイトを作ること――の2つが柱です。こえ部の事業は(1)に当たります。

このような企業はほかにもありますが、大きな違いはリリースするサービスの数を決めていることでしょう。2008年は自社サービスを88個リリース(「88個、すべて売っちゃいます!」――カヤックがWebサービス大売り出し)し、09年は99個をリリースする予定だそうです。

画像カヤックのサービス紹介ページ。個性的なサービスが並ぶ

たくさんリリースするからといってクオリティーが低かったり、趣旨を変えただけでシステムは共通のコピーサイトのようなものは一切なく、すべてが高クオリティーで知恵をしぼったサイトになっています。

自社サービスを工夫する中で得た技術やノウハウが受託開発にも反映されていき、社内の技術レベルも社外の評判も上がっていく……そんな好循環が生まれています。

ただ、大勢のユーザーがコミュニケーションをする大規模なサイトの運営は、こえ部が初めてとのこと。こえ部をどう考えて作り、どう育てていったかを、プロデューサーで技術部の大塚雅和さん、技術部の村瀬大輔さん、デザインを担当する意匠部の軍司奈水さんにうかがいました。

チームで作ったからこそヒット

画像左から、広報担当でディレクターの片岡巧さん、技術部の村瀬大輔さん、プロデューサーの大塚雅和さん、デザイン担当の軍司奈水さん

こえ部はどう立ち上がり、何が成功要因だったのでしょうか。

「最初は技術的な観点からのアイデアでした。Flashを使い、ブラウザから音声が投稿できそうだ、というところから考えて。調査したところ、録音した声をブログに投稿している人も多かったため、そういうユーザーをまとめたサイトはいけそうだと」――こえ部スタートの背景を、大塚さんはこう説明します。

大塚さんは、大規模なコミュニティーの製作経験もなく、運用をしたこともなかったそうです。それでも、同社を代表するほど大規模なコミュニティーサイトができたのは、大塚さん自身が選んだメンバーのおかげだと言います。

「このメンバーを集めた時点で勝ちだと思いました」(大塚さん)――大塚さんいわく、メンバーを選んだ基準は「忌憚(きたん)なく反対意見を言うこと、実力がハッキリしていること」だそうです。

ネットサービスに限らず、複数人でものを作ったことがある人なら分かると思いますが、人がいればいるほどコミュニケーションコストがかかります。人が多ければ作業をできる人が増えるため、早く作れるということは決してなく、むしろ非効率の場合も多いのです。最近、1人でネットサービスを作る人が増えてきましたが、これはそういったコミュニケーションのムダを省けるため、むしろ作りやすいということなのでしょう。

しかし1人で作っていては、自分の実力以上のものは作れません。自分の力以上のものを作り上げていくには、コミュニケーションコストがかからない人たちと組むしかないのです。

こえ部のメンバーはそれぞれの実力を認め合い、お互いの反対意見にも耳を傾けながら、サービスを作ってきたのです。「僕の言う通りにやられたらここまで成功していなかったと思います。お互いに意見を言い合えたのがよかったですね」(大塚さん)

自分が作りたいものを実現するために、黙々と作業してくれる「作業者」を集めるのではなく、主体的な意見を持ち、時には厳しい意見を言うことのできる「メンバー」を集めることで、よりよいサイトを作ろうとする――そんな大塚さんの姿勢が感じられました。

やったことがない、だから楽しい

こえ部のメンバーは、コミュニティーのデザインや設計も未経験の状態。何がユーザーにとってベストか分からない状況の中で、妥協せず考え抜いてきています。

画像大塚さん(左)と軍司さん

デザインを担当した軍司さんは、先例のない音声のコミュニティーをどう作ればいいか悩みながら、「投稿よりもスムーズに聴ける、というところにフォーカスした形」を生み出しました。

連続再生機能が1つの例です。こえ部では、投稿音声の再生ボタンをクリックし、再生が終わると、次の投稿の再生が自動的に始まります。一度再生ボタンを押してしまえば、ほかの作業をしながら聴ける「ながら聴き」が可能なのです。音声を聞くユーザーはどんな状況にいるかを考えた結果の動きで、ストレスなくサイトを楽しむことができます。

また、音声コミュニティーはテキストコミュニティーに比べて、サーバーに大きな負荷がかかります。こえ部は音声を再生できないとまったく楽しめませんから、負荷の高い再生機能を常に正常稼働させる必要があり、インフラは非常にシビアです。

「こえ部が大きくなってくると、今までやったことない最適化をしないといけない。その作業が非常に楽しかった」――インフラを担当した村瀬さんは、難しいチャレンジをむしろ楽しんでいたそう。どのメンバーからも「自分たちの実力を100%以上出そう」という意気込みが伝わってきます。

お知らせは声で配信

いよいよ、こえ部の育て方について聞いてみましょう。

ネットサービスの管理方法は2つに分けられると僕は思っています。それは(1)一切運営者の姿を意識させない管理方法、(2)運営とユーザーが一緒になってサービスを育てていく方法――です。

前者は「Yahoo!JAPAN」などのポータルサイトや少し堅めの企業が作るネットサービスでよくみられ、後者は2ちゃんねるやニコニコ動画など、ユーザーとのコミュニケーションをオープンに行い、運営していくサービスでみられます。

こえ部は完全に後者です。ユーザーからは、こえ部運営局が非常に身近な存在としてとらえられています。

例えば、お知らせやニュース。「運営からのお知らせやニュースを私たちの声で配信するんですよ」(軍司さん)

専門の声優を使ったりせず、運営している自分たちが直接お知らせを録音し、流しているのです。実際の声のため、かなり距離が近く感じられるのでしょう。文字通り運営者の息づかいまで聞こえてくるのです。

お知らせの投稿に対して、多くのコメントが寄せられていて、運営者がいかに愛されているかがよくわかります。例えば、メンテナンスのお知らせにも、「メンテナンス了解しました」「メンテナンスお疲れさまです!」「頑張ってくださいね(`・ω・´)b」など大量のコメントが付いていて、すごいなぁと思います。

「できない」とは言わない

大塚さんは、すべてのお問い合わせをチェックし、自身でも返信をしているそうです。お問い合わせはダイレクトにユーザーと触れ合うところであり、対応のトーンとマナーは開発者自身でするべきだと考えているとのこと。

「お問い合わせには、必ずポジティブな返答にするように気を付けています。こえ部に対して不満を言ってくる人もいますが、意見を言うということは、どうでもいいとは思っていないはず。『それはできません』という返信はしないようにしています」

こえ部のお問い合わせ窓口には、サイトの改善提案もよく来るそうです。多い時は、お問い合わせの半分近くを占める時もあるとか。運営者との距離が近いためでしょう。

「新機能をリリースすると『この機能はこうしたらどうですか』という提案が来ることもあります」(大塚さん)

ベテランユーザーが何人か集まって、こえ部に対する提案書を作ってくれたこともあったそうです。

「Wordできちんと提案書を作ってくれて(笑)。実際に、いくつか改善案は実行しました。こんなに親しみを持っていただける、というのはかつてない感じでびっくりしています」(軍司さん)

開発は「お問い合わせドリブン」

寄せられるユーザーの声に対して、運営側はどう対応していくのでしょうか。ユーザーの意見は一切聞かないでポリシーを貫く、という考えもありますし、参考になる意見があれば取り入れる、という考えもあるでしょう。

画像

こえ部はそのどちらでもありません。「僕たちはお問い合わせドリブンで開発をしていく」(村瀬さん)のです。「参考になる意見なら取り入れる」というレベルを超え、お問い合わせからの意見を中心にした開発。運営側が権力を振りかざすのではなく、あくまで場に徹し、ユーザーが作っていく、そんな運営方針が見えてきました。

「ユーザーの意見を聞くなんてどこもやっていることじゃないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、実際にやってみると分かりますが、ユーザーの意見を取り入れるというのはものすごく難易度が高いやり方なのです。

似ている状況としては、いろいろな意見を持った人が数十人いる会議が近いでしょうか。みんなが勝手に自分の好きなことを言って、それを自分がまとめて1つの結論を出すのを想像してみてください。あっちを立てればこっちが立たず、となっていき、場を収束させるには非常に手間がかかります。

ユーザーの意見を取り入れるだけでも一苦労なのに、その内容を開発の中心に置いて考えるというのは、相当な手間になります。運営の芯がないと出来ないやり方ですし、ユーザーからの信頼感も必要です。一朝一夕では真似のできないやり方と言えるでしょう。

BANではなく「お口にチャック」

運営との距離が近いといっても、どうしても問題を起こすユーザーは出てきてしまいます。例えば、「こえ部LIVE」と呼ばれるリアルタイムの声のチャットサービスでは、迷惑な発言をする「荒らし」が発生することがあります。

「こえ部LIVEに、迷惑な発言や行為をする人はどうしてもいて。ユーザーからは『BAN機能(ユーザーを強制的に退室させる機能)を付けてくれ』という要望も多かったんです。この対応については社内でも相当議論しましたね」(大塚さん)

最終的に、こえ部が作った機能は「お口チャック」と呼ばれる機能です。これは、管理者が迷惑ユーザーにチャックをすると、迷惑ユーザーの声や書き込みが、ほかのユーザーには届かなくなるというものです。

迷惑ユーザーは、自分が「お口チャック」をされたことには気付きません。そのまま荒らし行為をして他人に迷惑をかけているつもりでも、ほかのユーザーにはまったく影響がない、という仕組みになっています。

「荒らしに自分の声を聞かれるのも嫌だから、完全に退室させたい、という意見もあります。しかし、あくまでこえ部はオープンなサービスです。その運営ポリシーは守りたい」(軍司さん)

FAQには「みなさまがマナーを守って、思いやりを持っていれば必要ない機能だとは思いますので、なるべく、あまり使わないでいただきたいなぁ、と思っています」と書いてある。運営側はあくまで場に徹し、ユーザーの自主性に任せたいという気持ちがここからも分かります。

運営者の「愛」がユーザーの愛につながる

こえ部がこれほど愛される理由、それはやはり運営者がユーザーを愛しているということが明確に分かるからです。

ユーザー同士のトラブルや、機能についての批判要望には、かなり真剣に議論をしていることが、取材を通じてすごく伝わってきました。

運営側が決めた基準を押し付けるのではなく、ユーザーが作った文化や空気を大切にして、その都度、社内で議論を重ねて対応をしていく。お問い合わせ内容には真摯(しんし)に向き合い、本気でどう対応するか考え抜く。迷惑ユーザーを弾くシステム1つにしても、どうすればサイトの雰囲気とマッチするかを考える。1つ1つの行動がユーザーに伝わり、ユーザーも運営者に対して貢献をしようと真剣になっているのです。

「ユーザーからの愛も製作者側からの愛も、どちらが一方通行でも成り立たないからなぁ」

同社の片岡巧さん(広報担当・ディレクター)が言ったこの言葉がすべてを表している気がしました。





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