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リーダーとは「責任をとる覚悟がある人」のこと



リーダーとは「責任をとる覚悟がある人」のこと
ダイヤモンド・オンライン 10月31日(土)8時0分配信

9280109_m● 業績悪化を 景気のせいにしていないか? 

 私の愛読書の一つ「ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則」(ジム・コリンズ著)に、飛躍的に企業を成長させたリーダーの特徴として、「窓と鏡」と名付けた思考様式を紹介しています。

 それは「成功を収めた時は窓の外を見て、成功した要因を見つけ出す。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える」という思考です。

 松下幸之助さんも同じ事を言っています。「成功は運がよかったから。失敗は自分に力がなかったから。そう考えて経営をやってきた」(「松翁論語」)。成功した時はおごらず、失敗した時は謙虚に反省をする姿勢がリーダーには求められているのですが、ダメなリーダーは逆のことをしがちです。

 つまり成功したら鏡を見て自分には素晴らしい能力があるとニタニタし、失敗したら窓の外、つまり自分以外の要因に責任を転嫁して部下を叱りつけたり、顧客や景気のせいにする。こんなリーダーに従う部下はいません。

 人間の本質は「自己中」なのため、生き方の勉強をせず正しい姿勢が身についていないリーダーほど、うまく行かない時に周囲に原因を求めたり、責任を転嫁しがちです。「景気が悪いから赤字になった」と嘆くリーダーがいます。

 確かに景気の影響を受けやすい業種もありますが、それでも同業他社と比べて赤字幅を抑える経営はできるはずです。逆に景気が良い時にそこそこの好業績を上げて胸を張るリーダーもいます。そんなことは自慢にもなりません。

 私は昔、大先輩の経営者に「環境利益」という言葉を教えていただきました。景気が良い時は誰が経営しても利益を上げられる。それが環境利益です。自己中な経営者は景気の良い時の環境利益を自分の実力と勘違いし、景気が悪くなって業績が悪化すると他人に責任を転嫁するのです。

● 正しいリーダーは 公私混同しない

 リーダーシップは「覚悟」だと私は考えています。経営者とは「責任をとる覚悟がある人」のことを指します。経営コンサルタントの大先輩である一倉定さんは数多くの中小企業の指導を行い、経営者からとても慕われた人でした。

 一倉さんの有名な語録に「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である」というものがあります。高い電信柱を建てたのは電力会社、郵便ポストを赤く塗ったのは日本郵政だから社長のせいでは無いのですが、それくらいすべての事柄に対して責任を取る覚悟が無ければリーダーは務まらないと教えているのです。

 もう一つ、リーダーが身につけておくべき大切な事柄があります。それは公私混同をしないという正しい姿勢です。私はリーダーに聖人君子になれと言っているのではありませんが、公私混同の激しいリーダーの下で喜んで働く人はいないという、至極当たり前のことを理解せず、会社をおかしくしている人たちが少なからずいるのです。

 正しい考え方を学んでいないリーダーは自分の金と会社の金の区別がつかなくなります。私の人生の師である曹洞宗の故・藤本幸邦老師は「お金は魔物である」と説いておられます。ビジネスはお金の世界なので、姿勢の悪い人が大金を手にすると、魔物に踊らされて生き方を間違え、人生や経営に失敗します。お金があれば銀行、ホテル、百貨店、飲食店……どこへ行っても頭を下げてもらえるし、ちやほやされるし、高額商品でも手にできる。

 でも彼らが頭を下げてたりちやほやしている相手はお金です。魔物に飲み込まれた人はそれに気がつかず、自分が偉くなったと勘違いしてしまいます。その結果どうなるのかは、明らかです。

 正しい姿勢を学ぶためには、この連載で何度も書いているように、中国の古典や優れた経営者が書いた本を読んだり、立派な人の話を聞くなどして教えてもらうことが早道です。

 世の中には私利私欲の無い人はいないと思いますが、姿勢を学ぶことで、自分が私利私欲によって動いているのか、お客さまや社会という公を優先して経営しているのかが判断できるようになります。

大手企業の不祥事は なぜ起こるか? 

 ビジネスの本質は「誰も損をしないこと」なので、自己犠牲によって公を満足させろと言っているわけではありません。良い商品・サービスを提供すればお客さまが喜び、社会の役に立ち、会社が儲かり、従業員に働きがいが生まれます。この輪の中で損をする人は誰もいませんね。

 ところが考え方が間違っていると、誰かが得をすると自分が損をするというような考え方にとらわれてしまいます。その結果、経営者が私利私欲に走って自分の利益だけを追求するようになり、お客さまや社会、従業員が不幸になっていることに気がつかなくなります。繰り返し起こる大手企業の不祥事や不正会計問題は、その顕著な例です。

 お客さまも株主も従業員も、そして社会も、良い製品・サービスを社会に提供することによって利益を上げることを会社に求めているのに、姿勢の悪い経営者は不正会計や不祥事によって利益が上がったように見せかけることに血道を上げて、先人が築き上げてきた会社の信用を失墜させました。

 リーダーやリーダーを目指す人がまずやるべき事は、正しい考え方や姿勢を学ぶこと。そしてそのための正しい努力を日々積み重ねることです。

 それさえわかっていれば、技はお金で買うことができます。会計の知識に乏しければ会計士を雇えばいいし、経営に迷いが生じれば経営コンサルタントに相談すればいいだけのことですが、正しい姿勢だけは、いくらお金を積んでも即座に身につくことはないのですまず学ぶことと、日々の積み重ねが必要なのです。





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