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会計ベンチャーfreeeはなぜ中小企業に支持されるのか



ミライITアワードの旗手たちITpro
会計ベンチャーfreeeはなぜ中小企業に支持されるのか
2016/03/18

 エンタープライズITで創造的な変革をもたらした製品・サービスの提供企業50社を表彰する「ミライITアワード 2016」。日経コンピュータが今回創設した表彰制度だ。「金融」の部門グランプリを受賞したのが、会計クラウド「freee」である。起業の思いを佐々木大輔CEO(最高経営責任者)が語る。

 freeeはクラウドを活用して会計処理を効率化するサービスだ。うたい文句は「経理の効率が50倍上がる」。オンラインバンキングやEC(電子商取引)サイトと連携して会計情報を全自動で取り込むなど、面倒な処理を徹底的に省いた点に工夫がある。データ保存期間が1カ月間の「お試しプラン」なら無料と、手軽に使い始められる特徴もある。起業を支援する「会社設立freee」、給与明細を作成する「クラウド給与計算ソフトfreee」、マイナンバーを管理する「マイナンバー管理freee」など、姉妹サービスも数多い。

改めてなぜfreeeを起業したのかをお聞かせ下さい。

 日本企業の労働生産性が海外に比べて劣っているとの危機感からです。特に中小企業の生産性を高めるお手伝いをしたかった。

 起業前、私はグーグル日本法人で中小企業向けのオンライン広告事業に携わっていました。ところが足を運んでみると、日々の主なコミュニケーションツールがファクシミリという中小企業が少なくなかった。中小企業を指導する立場の方が必ずしもテクノロジーに強いわけでもない事実も浮かび上がってきました。

 世界的には多くの中小企業がデジタルマーケティングで成功しているにもかかわらず、日本の中小企業はそもそもそれを実践できる段階にすら到達していない。なんとかしなければと思ったことが2012年にfreeeを設立した動機です。

そして会計クラウドというコンセプトを思いついたわけですね。

 いわばfreeeは、ボーリングのセンターピンのような役割を果たすものなんです。どんな企業にも、モノを売るといった本業に加えて、やらなければいけない面倒くさいことがたくさんあります。経理、会計、資金調達、決済など、いわゆるバックオフィス業務です。

 freeeはバックオフィス業務の根幹である経理を変えることで、ほかの周辺業務の効率化も一気に促せるのではないかという発想で開発しました。ピンが次々倒れて、ストライクをとるイメージです。

 目指すのは経理業務の全自動化です。例えば多くの中小企業は請求書を受け取った後、どのような作業をしているでしょうか。恐らく資金管理のためのExcelファイルに打ち込み会計ソフトにも入力し、期日までにオンラインバンキングで資金移動の手続きをしているはずです。同じデータを7回も8回も登録しているのは無駄だと思いませんか。

 freeeが目指すのは、受け取った請求書をスキャンしたら、あとは何もせずその内容が必要なシステムにデータとして登録され、資金移動までオートマチックにできる世界です。請求書もオンライン化すれば、スキャンすら必要なくなるでしょう。

 現在、会社設立や給与計算など姉妹サービスを拡充していますが、いずれも同じコンセプトです。行政手続きも含めてすべてのバックオフィス業務をfreee上でワンストップで完結させたい。本業さえしっかりやっていればあとは何も考えなくていい。そんな世界を作りたいのです。

昨年12月に、会計事務所や金融機関とのパートナーシップを相次ぎ発表しました。

freeegamen写真●クラウドを活用して会計処理を効率化するサービスで、「経理の効率が50倍上がる」がうたい文句。

 新たに打ち出したのが「リアルタイム経営パートナー」と呼ぶコンセプトです。中小企業の経理業務が効率化するのに合わせて、支援する立場の会計事務所の効率化もお手伝いしたいと考えています。

 企業が抱える会計データはクラウドにありますから、会計事務所もそこにアクセスすればさまざまな処理が可能になります。期末を待たずにリアルタイムにアドバイスもできますし、新しい提案もできるでしょう。 中小企業と会計事務所の双方がクラウドで新しい力を得れば、もっと効率化するはずだと考えています。

 全国11の金融機関とも提携し、 freeeのデータを活用した新しい融資サービスの検討・開発にも乗り出しました。これまで金融機関は、データが少ないから一定基準を満たさない融資になかなか乗り出しにくいという事情がありました。

 経理データをモニタリングし与信に生かせるようにすれば、今までにない形の融資が可能になるはず。金融機関にとっては新しい融資先の開拓機会が増え、もちろん中小企業にとっては新規事業のための資金調達がしやすくなる。そう信じています。

最終的に描いているゴールはどんな姿でしょうか。

 いずれ、人工知能(AI)の力を借りたバーチャルなCFO(最高財務責任者)機能をfreee上で実現してみたいですね。繰り返しなりますが、freeeさえ導入すれば、バックオフィス業務に関する摩擦がゼロになり、大半の中小企業が毎日本業だけに専念すればよくするのが当社が描く理想のゴールです。

 今年1年は、とにかく結果を出すことにこだわりたい。おかげさまで50万事業所でfreeeはお使いいただいています。ですから「freeeで仕事が本当に楽になった」「リアルタイム経営パートナーの支援も受けて具体的に成果が上がった」との声を聞きたい。

 freeeのおかげで日本の中小企業の労働生産性が格段に向上し、世の中が変わった。そう評価して頂けるよう、サービスの幅も質も徹底的に充実させて参ります。





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