[記事数:1,202] 日本を元気にするキーワード、地域活性化×中小企業× ITのTips and Quotes(秘訣と引用文)
creative  link  memo 

共創マーケティング アンバサダー、コミュニティ、アイデア会議



生活者を理解するために、オンラインでの直接対話を

生活者とオンライン上で直接対話できるようになったのは、ここ5年~10年ほどの最近の話です。そのため、直接対話を武器として活かす取り組みは始まったばかりだといえます。生活者との直接対話により新しい発見を得るには、オンライン上に共創コミュニティを構築する必要があります。共創コミュニティには次の3つの特徴が必要です。

 1)アンケートや掲示板があり、コミュニティ参加者の意見を集められる
参加者の意見を集めるには、アンケートのような企業側からの質問に答えてもらうケースがあります。また、掲示板のように参加者間・企業と参加者同士でディスカッションすることで意見を集めたり、対話の中から新しい発見を得るケースもあります。

2)会員登録があり、継続的にメールなどで連絡を行える
共創コミュニティでは参加者との人間関係を構築することで、意見を言いやすい環境を作ります。そのためには、継続的にコミュニケーションできる状態が必要です。

3)コンテンツの出し分けができることで、複数のプロジェクトを並行して実施できる
質問・対話する内容によって、「誰に聞きたいのか」は異なります。特に、オンライン上でディスカッションする場合、盛り上がりやすいのは100人程度です。Facebookの平均友達数も100~150人と言われますが、お互いの人間関係を維持するには限界があります。コミュニティ参加者は多いほうが様々な意見は聞けますが、お互いを理解したうえでコミュニケーションできる人数に制限があります。そこで、コミュニティの中でコンテンツを出し分け、この質問はこの100人に、この質問はこの100人に、と設定することで盛り上がった状態を維持できます。

共創コミュニティを作ることで、下図のようにマーケティング施策全体の中で、ふとした疑問の質問や小さなテストマーケティングなど、複数のプロジェクトを並行して実施することができます。そして、気づいていない課題を発見し、生活者と共にマーケティングを行えるようになります。この「ふとした疑問」の中に新しい発見のタネが隠れている場合もあります。「今では当たり前のように前提になっているが、個人的に疑問に思っていること」を、質問を作る上で参考にします。

あらゆるマーケティング・プロセスで「生活者を知るため」に活用できる共創コミュニティ
あらゆるマーケティング・プロセスで「生活者を知るため」に活用できる共創コミュニティ

 

生活者理解を促進する、共創コミュニティ4つの特徴

商品やサービスのファンを集め、継続的に運営している共創コミュニティにおける生活者理解は、他のリサーチ手法と比較して、次の4つの特徴があります。

他リサーチ手法と共創コミュニティの違い
共創コミュニティの特徴

特殊な意見を集めやすい

通常のリサーチでは一般的な人(あるサービスに特別な思い入れの無い、フラットな人物)を集めます。一方、共創コミュニティでは商品やサービスのファンなど尖った参加者を集めることが一般的です。20%の消費者が売上の80%に貢献していると言われています。この20%の消費者の意見をマーケティングに活かすことができます。ファンは商品やサービスに対する強い思い入れを持っています。そのため、1つの質問に対して2,000文字を超える回答を寄せたり、企業側も予期していなかったような特殊な意見を提供してくれることがあります。

また、このようなファンの声は企業側の担当者の熱意を高める効果もあります。クレームや苦情の問い合わせなどのネガティブな意見に比べ、「この商品を買って良かった」「この商品を使って楽しいです」といったポジティブな意見は社内で共有されにくいものです。共創コミュニティでファンの声を集めることで、インナーブランディングにも役立てることができます。

建設的な意見を集めやすい

共創コミュニティでは継続的にコミュニケーションを取っていくため、参加者との間に人間関係が構築されます。このため、調査を行う際も単純な否定意見ではなく、「どういうシーンやケースならいいと思う」といった建設的な意見が集まりやすい傾向にあります。

例えば、キリンビールは共創コミュニティ「カンパイ会議」を使い、低アルコールビールの「オフホワイト」に関する調査を行いました。低アルコールビールはその名の通り、アルコール飲料に不可欠の要素であるアルコール度数が低いため、一般的な調査では否定的な意見が出やすい傾向があります。しかし、「カンパイ会議」を使った調査では、参加者が協力的に参加してくれるため、建設的な意見が集まりました。

カンパイ会議で集まった意見
カンパイ会議で集まった商品に対する意見

 加えて、共創コミュニティの参加者をグループインタビューやオフ会に招けば、オンラインと同様にコミュニティでのニックネームで対話をすることができます。そのためリアルイベントの初対面同士でも、身近な気持ちで意見を出してもらうことが可能です。

生活者の立場をリアルに理解できる

共創コミュニティは生活者の立場をリアルに理解することができます。継続的に生活者の意見を聞くことができるため、意識変容のあった時点からさかのぼって、「要因は何か」「どのような刺激を与えれば変容が起こるのか」などを検証できるのです。また、コミュニティの運営・維持には費用が必要ですが、コミュニティの中で何度質問をしても追加費用は発生しません。このため、企業側は気軽に何でも質問ができ、生活者側はスマートフォンなどから好きな時に回答できる。これは、共創コミュニティの大きな特徴です。

BtoBの事例ですが、富士通はクライアント企業とのイベントと共創コミュニティ「Innovation Farm」を通して、ニーズの見える化を行っています。イベントなどを通して最先端のICTをクライアントに体験してもらい、それを使ったアイデアを共創コミュニティで話し合うことでプロトタイプを作っています。

イベントにおけるディスカッション風景
イベントにおけるディスカッション風景

 クライアントに突然「ニーズは何ですか?」と聞いても、なかなか答えは出てきません。そうではなく、ドローンなどの最先端の技術を見せて、「これを使って、どんなことができたら面白そうですか?」と質問することで、様々なアイデアが浮かんでくるのです。そして、プロトタイプを作る中で具体的に何を実現したいのかが明確になり、クライアントニーズを把握することができるのです。





FavoriteLoadingお気に入りAdd to favorites

コメントを残す