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日本企業、世界で勝つカギは武士道精神である もはや英語とITは必要最低限のスキル



日本企業、世界で勝つカギは武士道精神である もはや英語とITは必要最低限のスキル
Business Journal 11月2日(月)22時1分配信

20151102-00010006-bjournal-000-1-view とても残念に思ったことがあった。

 先般、世界の主要な経営理論89を紹介した『経営理論大全 すぐに使える最強のビジネスセオリー』(朝日新聞出版)の翻訳監修を行い、大変好評を得ている。英国のビジネス書大賞にも選ばれており、内容は折り紙付きだ。しかし、日本人による理論はわずかに「品質マネジメント」分野における石川の特性要因図、今井のカイゼン5Sハウスキーピング理論だけだった。

 もちろん、著者であるジェームス・マクグラスとボブ・ベイツによる選定であるから恣意的であることは認める。しかしながら、日本は100年以上続く長寿企業が世界最多で、海外でも高い評価を受けている品質管理、終身雇用制の中で生まれた従業員の勤勉な態度、「おもてなし」という言葉に代表される接客の品質の高さなど、世界に誇れる「日本人独自の経営」があるはずだ。

 敗戦の焼け野原から世界第2位の経済大国にまで急成長してきた日本企業を支えたものは、なんだったのだろうか。そしてそれらこそが、グローバル時代における日本の「ウリ」なのではないだろうか。そう思わずにはいられない気持ちになった。

 グローバル時代においてビジネスパーソンが学ぶべきは「英語、IT、ファイナンス、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング」などといわれている。そして筆者もまったく同意見だ。

 しかし、それは世界で戦うための最低限度のいわばイロハの世界でしかない。外国企業が日本に進出した際には、そうした人材はボスにとって使いやすいスタッフとはなり得るだろう。日本は日本語というある種のバリアがあるからこそ、価値のある人材になるという面もあるのだ。

 しかしグローバルな視点で考えれば、英語とITができる人材であれば、インドなどのアジア諸国のほうがはるかに安い人件費で優秀な人材を確保できる時代だ。実際、IoT(インターネットとモノの融合)やビッグデータなど最新技術分野の技術者は、もはや日本人だけでは確保できない状況にあり、海外の優秀な人材をいかに確保するか、そして彼らをマネジメントできるCTO(最高技術責任者)等をいかに育成するかが、日本企業の重要な課題になってきているのだ。

●世界のルールで競争する

 一方で日本企業がグローバル展開を行う際には、それだけでは世界では勝てないのではないだろうか。もちろんトップティアの人材は世界の強者の中でも生き残れるかもしれないが、グローバル化とはすなわち世界中の企業や人材と同じルール上で競争をするということなのだ。

 例えば、イタリアは国家としては日本同様国家債務に苦しんでいる国だが、地方都市発のラグジュアリーブランドは世界を席巻している。フェラーリ、マセラティなどの自動車、ルイ・ヴィトン、プラダ、アルマーニなどだ。スイスも人口は約800万人にすぎないが、パテック フィリップ、ロレックスなどの高級腕時計ブランドの本社や工場がひしめいている。ブランド企業の多くは、山奥のわずか10名ほどの職人の工房だったりする。

 スイスの時計ブランドは拙著『ビジネスモデル』(朝日新聞出版)でも説明したように、日本企業、とりわけシチズンがデジタルパーツを劇的な低価格で時計メーカーへ提供し始めたことによって、一時期瀕死の状態に陥った過去がある。そこから約30年の年月をかけて、現在のラグジュアリーブランドを確立することに成功した。

 これらの事例は、日本企業のグローバル展開にも重要な示唆を与えてくれるはずだ。それはいずれも、「彼らだけしかできない強みを生かしている」点だ。

 一方、日本におけるクールジャパンというと漫画、アニメ、オタクなどがイメージされる。例えば、日本人の歌手が海外公演を行う際に人気があるのはアニソン(アニメの楽曲)だ。また、競売会社サザビーズが米ニューヨークで行ったオークションでは、現代美術家の村上隆氏の制作したオタク系といわれるフィギュアが1516万ドルで落札された。

 しかしそれだけではない。全世界で300万部以上の大ヒットとなっている近藤麻理恵氏の著書『人生がときめく片づけの魔法』は、アマゾンUSAのカテゴリーでは「禅」になっている。欧州・中東でも人気の「MUJI」(無印良品)も、海外での評価は「シンプルで禅を感じる」からなのだそうだ。米国でも中国でも豚骨ラーメンが大人気だし、オーストラリアでは日本の畜産家のノウハウを得て開発した「和牛」が人気だ。

 これらからいえることは、世界と同じルールで競争することはもちろん可能だが、個人であればイチローや錦織圭選手のような天才的なプレーヤーに限られるのと同様、企業でもトヨタ自動車などごく一部の企業か何かに特化した優れた技術をもつ企業だけだろう。

●武士道精神

 実は、「ルールの支配者」としてグローバル化を進めていく戦略は、アメリカが最も得意とする戦略だ。例えば、TPP(環太平洋経済連携協定)ではアメリカは自国の法律を世界の国々に適用しようとしているといわれている。デリバディブのような金融工学などの分野もしかり。

 一方で世界が真似できない、「日本のルール」で戦える分野であれば、日本一すなわち世界一となるのだ。「日本が輸出したいもの」ではなく「世界が日本に求めるもの」を強化し、日本のルールを世界に広めることが、本当の意味でのグローバル展開での成功のカギなのではないだろうか。

 筆者はそうした海外から「日本らしい」とされている経営の根拠になるものはなんだろうと調査を行ってきた。その解のひとつとして「武士道精神」にたどり着いた。具体的には次回以降にご紹介していきたい。

 読者の中にはトム・クルーズ、渡辺謙主演の映画『ラストサムライ』におけるラストシーンで、渡辺演じる勝元盛次が負けるとわかりながら敵陣に捨身で突撃し、最期はトム・クルーズの力を借りながら桜の花びらが鮮やかに舞い散る中で「パーフェクト(完璧だ)」と言い残して切腹するシーンを覚えている方もいるだろう。筆者はなぜ「パーフェクトなのだろうか?」とずっと疑問を持っていたのだが、それこそが海外において「日本らしさ」と認識されていることなのだと合点がいった。

 武士道は戦争の正当化のために時の政府に「悪用」された悲しい過去がある。本来「武士道精神」とは、他者への慈愛、誠実であること、名誉を重んじること、卑怯を許さない、など、今日日本人が忘れつつある精神を指すものだった。今一度「日本らしい経営」という視点でその内容を紹介していきたい。そこには現代の企業の経営陣やビジネスパーソンにとっても参考になる点が多々あるからだ。

 最後に南北朝時代に楠木正成が家臣たちに示した教えを記した「名君家訓」から、「武士の守るべき十か条」を紹介しよう。

【武士の守るべき十か条】 

1.嘘を言わない。
2.利己主義にならない。
3.礼儀作法を正す。
4.上の者にへつらわず、下の者を侮らない。
5.人の悪口を言わない。
6.約束を破らない。
7.人の窮地を見捨てない。
8.してはならないことをしない。
9.死すべき場では一歩も引かない。
10.義理を重んじる。

 現代の企業経営者にとっても部分的ではあるが、十分参考になるのではないだろうか。





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