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無料漫画アプリの台頭 ── それを支える重要な2つの要素とは?



無料漫画アプリの台頭 ── それを支える重要な2つの要素とは?
2015.02.06 17:00

20150206-00000008-wordleaf-0d477ce8aa50840a6308ecd9472535d1e 『週刊少年JUMP』261万部、『週刊少年マガジン』117万部、『週刊少年サンデー』40万部、『なかよし』13万部、『りぼん』21万部(いずれも12月の単号の発行部数)。 過去には653万部を突破して史上最高部数を叩き出した『ジャンプ』、一時期は陰りが見えたその『ジャンプ』を追い抜いた『マガジン』など、メジャーな漫画雑誌が大部数を競い合っていたのも四半世紀前の話。今や多くの漫画雑誌の部数は、最盛期の半分以下にまで減ってしまった。

雑誌の役割を補完する無料漫画アプリ

 こうした漫画雑誌の落ち込みは、漫画のビジネスモデルにも大きな変化を与えている。各作品の連載を集めた雑誌を販売=宣伝して、一冊の単行本(=コミックス)にまとめて大幅に収益をあげるというのが漫画ビジネスの王道だ。

 その中で、雑誌は漫画家の作品を集めるという要素と、作品を広く宣伝するという2つの機能を兼ね備えている。だが、年々雑誌そのものの売上が低迷していく中、90年代後半以降、雑誌のみでは収益が出ないケースが増えてきた。そのため、もはや雑誌は宣伝と割り切り、単行本の売上でその穴を埋めるという考えに切り替わっていった。

 それに加えて、2013年頃からは低迷する「雑誌」の役割を補完するサービスが出始めてきた。それが、「マンガボックス」(DeNA)、『LINEマンガ』(LINE)、『comico』(NHN PlayArt)などの無料漫画アプリのサービスである。

 漫画を雑誌連載のように週1回程度のペースで更新していくアプリで、まさに電子漫画雑誌という側面も持つ。そして、これが大ヒットを飾り、昨年10月段階で「LINEマンガ」のアプリは、なんと累計800万件もダウンロードされ、『マンガボックス』は累計600万DL(昨年9月)、『comico』は累計800万DL(今年1月)と、前述のメジャー誌を優に超える読者を獲得しているのだ。

 上記3社はいずれもIT系企業によるものだが、ほかにも『少年ジャンプ+』(集英社)や『comic walker』(KADOKAWA)など出版社自らが手がける無料アプリ、『やわらかスピリッツ』や『モアイ(モーニング、アフタヌーン、イブニングの合同)』など雑誌レーベルごとのウェブやアプリサービスも存在する。

無料漫画アプリに共通する2つの要素

 これら無料漫画アプリのサービスに共通する重要な要素が「無料」と「新人育成」である。出版社にとって虎の子のコンテンツである漫画を無料で公開するのは相当のチャレンジだっただろう。

 しかし、そういったリスクを冒す一方でそれなりのメリットもある。中には全部無料という作品もあるが、大半の無料漫画アプリは取り扱っている大半の作品、とくに雑誌連載中の既刊作品などは1巻目、1話目、もしくはハイライト的に1話だけなど、一部を無料にするにとどめている。その無料の部分で読者を惹きつけ、電子版や紙版の漫画を買ってもらうという算段だ。

 漫画のような巻数ものには有効な手法で、実際にAmazonがkindleの本を売る際に非常に多く用いられており、『進撃の巨人』の大躍進の一助となった戦術でもある。今では『楽天kobo』、『honto』、『BookLive!』など電子書籍を販売する事業者も同様のシステムを取り入れている。

 この手法によって電子コミックの売上は大幅に増加し、2014年はコンテンツ数の増加も加味して、「電子コミックだけで1000億円近く(13年は731億円)売上げたのでは」とみる関係者もいるほどだ。

『ReLIFE』、『とんかつDJアゲ太郎』など無料アプリ出身の漫画家が活躍

 そして、もう一つの要素が漫画家の「新人育成」という側面だ。

 従来の紙の雑誌はページ数なども限られており、有望な新人でも作品が陽の目を見るまでには相当高いハードルを越えなければいけなかったが、そういった雑誌に比べると無料漫画アプリはかなり門戸が開放されている印象だ。

 その結果、今では『ReLIFE』(夜宵草)や『とんかつDJアゲ太郎』(イーピャオ/小山ゆうじろう)など、無料漫画アプリ出身の漫画家の手掛けた作品が紙の単行本として発行されてヒットを飾るという現象も起きており、とくに『ReLIFE』は40万部を突破するほどの人気を集めている。

 各社とも、こういった新人育成には力を入れているが、中でも突出しているのが『comico』で、『ReLIFE』に続いて1月23日には『保留荘の奴ら』、『ナルどマ』が単行本化され、2月14日には『咲くは江戸にもその素質』『ネト充のススメ』もKADOKAWAから単行本化される予定だ。

ネット依存で出版界を待ち受ける懸念

 出版界内では「雑誌の売上が今後上がることはない」というのが大方の見方であり、漫画雑誌も例外ではない。そうなると、ますます漫画作品を集める機能と宣伝する機能がネットに移行するのは確実である。とくに、今の出版社には赤字を垂れ流す雑誌を支えるだけの体力は残っておらず、おのずと今後はネットに依存する比重が高まっていくことになるだろう。

 とはいえ、こうした流れにも一つの懸念がある。

 出版界全体の流通は、漫画雑誌やファッション誌など大量部数を発行する雑誌やコミックによって支えられているという点だ。雑誌の衰退とともに、出版流通自体が成り立たなくなる可能性が出てきているのだ。そうなる前に、出版界は何らかの回答を見出さなくてはいけなくなるだろう。





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