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糸井重里社長「ほぼ日」の実態、ほぼ明らかに 3月16日に上場、「個人商店」から脱却なるか



糸井重里社長「ほぼ日」の実態、ほぼ明らかに
東洋経済オンライン 2/22(水) 6:00配信

 「早く社長から解き放ってくれ、というのが僕の意思。イノベーションに関わることなど、社長よりも得意なことがあると思っている。2~3年ぐらいは会社に通うけれど、“しょうがないジジイ”だなと言われる存在に早くなりたい」――。

公私混同を推奨!「ほぼ日」流のすごい働き方

 コピーライターの糸井重里氏が設立した「株式会社ほぼ日(ほぼにち)」は3月16日、ついに東京証券取引所のジャスダック市場に株式上場を果たす。2月21日に開かれた上場前説明会で、現在68歳で社長を務める糸井氏が、「ポスト糸井」の後継者などについて聞かれて答えたのが冒頭のコメントだ。「そういう目で組織を見ているし、外から入ってくださる方がいるとしたらどういう方なのかなと探している最中」と糸井氏は続けた。

■昨年12月に現社名に変更

 社名については、糸井氏が1998年6月に開設したウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の略称「ほぼ日」に由来する。株式会社としては2002年10月に東京糸井重里事務所の社名で設立され(同名の個人事務所設立は1979年)、上場を控えた昨年12月に現社名に変更された。

 社名変更の理由について糸井氏は、「ほぼ日刊イトイ新聞をスタートさせて、個人の仕事を管理する事務所でなく、はっきりとチームで何かを実現させていく会社に変化してきたから」と、社名変更時の挨拶文の中で述べている。今回の株式上場も、個人商店からチーム運営のパブリック企業へと進化していく重要な一歩といえそうだ。

 同社は、糸井氏をはじめとする書き手によるウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で、糸井ファンともいうべきコアな読者層を集客。そのうえで、自社で企画・開発した商品を紹介し、直接顧客に販売するビジネスモデルを構築している。

営業利益率は2ケタの高収益体質

 ウェブサイト自体は読者への有料課金はなく、誰でも無料でコンテンツを読める。一方、広告は原則として掲載せず、広告料収入はない。つまり、もっぱら自社企画・開発の商品を販売することで収益が成り立つ。新規上場時に東証が割り当てた業種別分類も、メディア企業が多く分類されている「情報・通信」でなく、「小売業」であるところに同社の特徴が表れている。

 足元の業績は順調だ。前2016年8月期(2015年9月~2016年8月)の実績は売上高が37億6700万円、営業利益が4億9900万円。営業利益率は13.3%と2ケタを軽くクリアする。進行中の今2017年8月期も売上高は38億1700万円、営業利益5億円、営業利益率13.1%を見込み、新規上場企業としてはすこぶる堅実だ。ただ、前期比での伸びは売上高が1.3%増、営業利益が0.2%増と成長力で際立つわけではない。高水準ながらも堅実すぎる業績動向を、新興銘柄市場の投資家がどう判断するかが上場後の株価にも影響してきそうだ。

■売上高全体の実に7割が「ほぼ日手帳」

 同社最大のヒット商品は2001年に販売を開始した「ほぼ日手帳」で、売上高全体の実に7割を占める。一昨年販売の「2016年版」の販売部数は前期比約6万部増の61万部。昨年9月から販売している「2017年版」は64万部程度になりそうだ。

 ほぼ日手帳はインターネット直販のみならず、ロフトの全国店舗でも販売され、ロフトの手帳部門では、取り扱いを始めた2005年版以降、12年連続で販売数第1位を記録している。

 海外向けにも、2013年版から英語版の手帳を発売。口コミに加え、同社の側でも英語版サイト開設や中国版SNS「Weibo(微博)」への情報発信を始めたことが奏功。前2016年8月期の海外売上高は、ほぼ日手帳の販売が国内向け以上に好調なことから、中国が3億7900万円、米国が1億1700万円など合計6億3000万円に上り、同社の売上高全体の16.7%を占めるに至っている。

■調達資金5億円使い、「次の柱」を育成

 ただ、同社が東証に提出した「新規上場申請のための有価証券報告書」の「事業等のリスク」欄を見ると、「特定商品への依存度に関するリスク」として、ほぼ日手帳への依存度の高さに言及。法人向けではなく個人向け中心の「ほぼ日手帳」の市場は比較的底堅いとみられるが、中長期には、それに次ぐ柱となりうる自社企画・開発商品の育成は待ったなしともいえる。

 すでに同社は、腹巻きや「水沢ダウン」などのアパレル、「カレーの恩返し」などの食品、各種の書籍といった分野でそれなりのヒット商品を生み出し、手帳以外の「ほぼ日商品」の売り上げ構成比は全体の22%まで育っている。加えて、今回の株式上場に伴う調達資金(手取りで5億円強)も投じて、昨年6月からリリースしている犬や猫の写真SNSアプリ「ドコノコ」や、新コンセプトの展示イベント「生活のたのしみ展」、スマホアプリと連動する新商品「ほぼ日アースボール」などの運営や企画・開発を進めていく予定だ。

 「今、売り上げ貢献という意味では、僕自身の存在はパーセンテージとして、とても小さくなっている。ドコノコなど3つの新事業についても、タネの段階では一生懸命やったけれど、そこから育てるのは僕の人脈なんかに頼らなくても、ほぼ日の信頼感だけでだいぶできるようになっている」(糸井氏)。

 ほぼ日は今回の株式新規上場を機に、これまで経営依存度が高かった「手帳」「糸井重里」から次を模索するステージに突入する。投資家のみならず、ほぼ日の事業を支えてきた読者や顧客の評価をいかに勝ち取るか。それが、糸井氏にとって、ほぼ日社長としての仕上げの仕事になるかもしれない。





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