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配当の「分配可能額」の計算



配当可能限度額【はいとうかのうげんどがく】
企業が、決算期ごとに株主に配当できる上限の金額のことで、旧商法によって定められ、決算期末日時点を基準として算出されていた。ただし、2005年成立の会社法で、その定められていた配当規制が、期中にいつでも配当可能な「剰余金の配当」に変更となった。そのため、配当可能限度額が、決算期末以降の剰余金の変動も加えた「分配可能額」に変更された。配当は、基本的には株主に利益を還元するものだが、たとえ赤字決算であっても、健全な資本状況を維持できる範囲であれば、配当を行うことができる。「配当可能限度額=純資産額-(資本の額+資本準備金+利益準備金+その決算期に積み立てる利益準備金)」で求められる。

純資産額に応じた配当の「分配可能額」の計算

配当の分配可能額はどのように計算すればよいのか、取り上げてみたいと思います。

剰余金を配当する際には、「交付する金銭などの帳簿価額の総額は効力発生日における分配可能額を超えてはならない」とされています。剰余金の分配可能額を算定するときは、効力が発生する日の剰余金の額に対し、所定の調整を行うこととしています。

◎純資産額が300万円を下回ったとき→配当ができません

株式会社の純資産額が300万円を下回ったときは、株主に対して「剰余金の配当」を行うことはできません。さらに、配当を行うことで純資産が300万円を下回るような配当もできないとされているので、注意が必要です。
これは、旧商法で定められていた、株式会社1000万円、有限会社300万円という「最低資本金制度」が撤廃されたことにより、新たに設けられた純資産額にもとづいて規定された財源規制なのですね。債権者に対する弁済原資(もとで)として、純資産額は300万円を確保するべきである、また、たとえそこに剰余金があったとしても配当してはならないという考え方によるものです。
つまり、自己株式の取得、資本金や準備金の減少に伴って、払い戻しにより純資産額が300万円を下回る場合も、同じようにこの財源規制の対象になるというわけですね。

◎剰余金の分配可能額の計算

①【剰余金の額】+【「自己株式を処分した場合の当該自己株式の対価」+「臨時計算書類上の利益」】
②【自己株式の帳簿価額】+【事業年度末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価】+【臨時計算書類上の損失】+【その他の控除額】

① - ② = 剰余金の分配可能額

◎ケーススタディ〜分配可能額を計算してみると…

 資産       500万円
 負債       50万円
 資本金      200万円
 準備金      50万円
 その他利益剰余金 200万円
※決算日の剰余金の額(その他利益剰余金)は200万円。剰余金の変動は分配時までないと仮定した場合。

【上記の場合の剰余金の分配可能額の計算】
 利益剰余金200万円−(確保すべき純資産額300万円−資本金200万円−準備金50万円)  −200万円−準備金50万円)=200万円−50万円=150万円

分配可能額は150万円ということになります。

最終的な結論である「配当可能限度額」をAとしましょうか。この
Aを実際に全部配当したとします。すると、

A×0.1 または
資本金×(1/4)-既に積み立てた利益準備金の額

のいずれか小さい方を、新たに利益準備金として積み立てますね。

配当する金額もそれに見合った新たに利益準備金積立額も、純資産
額-(資本金+法定準備金)から支払わなくてはなりません。もち
ろん、資本金も資本準備金も利益準備金もどんどん取り崩して配当
することができないわけではないですが、「そういうことはやめて
ください」というのが商法290条の求めるところなのです。

というわけで、最大限配当した場合、

  配当額(つまり配当可能限度額)
+)それに見合った利益準備金の新たな積立額
---------------------
=)純資産額-(資本金+法定準備金)の額

となるのが、いっぱいいっぱいなのです。ここで、上のA×0.1
の方が小さかったとしましょう。

すると、上の足し算は、

A+(A×0.1)=純資産額-(資本金+法定準備金)

と書けますね。左辺はA×(11/10)となります。配当可能限
度額(つまりA)は右辺の(10/11)、それに見合った利益準
備金の新たな積立額(「要積立額」といいます)は右辺の(1/11)
となるわけです。





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